【代表ブログ】壁は護るためであって。封じ込めて無力にしてはいけない。
2019年6月6日
【壁は護るためであって。封じ込めて無力にしてはいけない。】
今日は、西成の小学生対象の居場所「やってみよう屋」の日でした。
去年の秋ごろから姉妹で参加しているご家庭のお母さんが午後から参加してくれました。
要配慮家庭ではありません。
姉はやってみよう屋では毎回きちっと取り組みたいタイプの子で、
妹は年上の子たちにひっついて行動できる柔軟な天真爛漫なおませさんです。
お母さんも毎回伝言ノート(お帳面のようなもの)に毎回丁寧な返事を書いてくれます。
いつも真面目にとりくむグループがお休みなこともあり、姉が今日の参加を迷っていたようなのですが、
「でもどうしても行きたい。」と母に相談したようで、母が予定を調整してくれて同伴したという経緯でした。
今日は元気の良い子たちの参加も多く(25名ほど)、賑やかでした。
母は初めは同伴の立場で姉の隣に座っていたのですが、
しばらくすると他の子の手伝いや片付けなども進んでしてくれてとても助かりました。
帰り際に呼び止めて、御礼も含めて15分程度お話ししたのですが、母の想いが思っていたのとは違っていました。
「学校のクラスが荒れていて、先生からも中学受験の話をされたりで
とても迷っていたんです。
親がある程度環境を作ってやる必要があると考えていたんですが、
いつまでそれをしてやるべきなのか悩んでいました。
西成というワードで何かとニュースにもなりますし、引っ越しさえも考えるときもありました。
でも今日参加して色んな子と個々に関わって話をすると
1人ひとりは本当にいい子。話せばわかるし。
でもスタッフのみなさんにはかなり乱暴な言葉や態度もとるし、
怒らないのが不思議で、怒らないと!とすこしイラッともしました。
でも甘えたりわがままをいう場所がないからかもと思うと、ねぇ。
やってみよう屋って本当にすごいし大事だなと思いました。
学校のもめごとも、やんちゃな子たちのことも見る目が変わりました。
来てよかった。
これからお手伝いしにきてもいいですか?」
やってみよう屋は対象としている小学校に通う子ならだれでも参加できます。
子ども食堂の対象になる子も、そうでない子も来ています。
食事は毎回「おにぎらずと味噌汁」ですが、お米を炊くところから子どもたちがみんなで作ります。
家でも自分で作る子も増えてきました。
文化体験に使うものなども、どの順番で選ぶかもみんなで話し合って決めます。
くじも自分たちで作ります。
校内居場所と同じで、対話や決め事のサポートをするだけで、
スタッフは文化体験のテーマを決めたり全体のリズム取りだけです。
この2年間でそれもできるようになってきました。
新しく参加する子たちに今まで参加してきた子たちが色々教えてくれています。
居場所は彼らを壁で囲うのではなく、大人の見守りがある安心安全な居場所の中で、
疲れをいやし、発散し、生きていく力をつける場所だと思っています。
封じ込めて無力にしてはいけない。
彼らはいつまで支援の対象なのでしょうか。
マイノリティの理解には、マジョリティの理解も必要です。
西成は筋肉痛になるけど、大好きです。