第53回 曇りのない目で世界を見てください
2016年11月11日
第53回のFair-DayはFAIRROADとつながりのある方から配信いたします!
今回は青年海外協力隊でブルガリアとタンザニアで計4年間の活動をされていた【赤堀育美さん】からのメッセージ。
一つひとつの言葉の中に心を感じる、とってもユニークでファンキーな赤堀さんです!
そんな赤堀さんが思う「フェア」とは…。
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ときどき、思います。
フェアって何だろう?と。
青年海外協力隊の理数科教師として東アフリカのタンザニアで暮らした2年間が、もしかしたら、私のフェアという言葉に対する概念を大きく覆したのかもしれません。
誰もが平等であること。
もし、そうであるのならば。
私の目の前の景色は、フェアではありませんでした。
お金がなくて学校に通えない子ども。
誰もが平等に教育を受けることができない現実がそこにはありました。
いつもお腹を空かせている子ども。
誰もが平等に満足に食料を手にすることができない現実がそこにはありました。
破れかぶれの服を着て、裸足で歩く子ども。
誰もが平等にきれいな衣類を手にすることができない現実がそこにはありました。
茶色く濁った水を飲む子ども。
誰もが平等にきれいな水を飲めない現実がそこにはありました。
すべて貧困によるものです。
貧しいがゆえの、現実です。
ときどき、思います。
貧しさって何だろう?と。
1日を1ドル以下で生活している人々は、貧しさの中にいますか?
学校に通えない子どもは、貧しさの中にいますか?
お腹を空かせた子どもは、貧しさの中にいますか?
きれいな服を着ていない子どもは、貧しさの中にいますか?
きれいな水を飲めない子どもは、貧しさの中にいますか?
私たち日本人から見たら、彼らは貧しさの中にいて、決してフェアとはいえない環境で生きているのかもしれません。
しかし、彼らは、貧しさに絶望しながら生きているわけではありません。
そのような環境の中で、彼らは笑顔で生きています。
学校に通い、お腹いっぱいご飯を食べ、きれいな服を着て、きれいな水を飲むことが当たり前の私たちは。
毎日どれだけの笑顔で過ごしているのでしょうか。
心はどれだけ豊かなのでしょうか。
タンザニアの人々の笑顔は、私の心を豊かにしてくれました。
肌の色も違う、言葉も文化も違うタンザニア人と日本人が共に暮らす。
お互いを理解し、認めあう。
そこにはフェアな関係がありました。
私とタンザニア人はフェアな関係でした。
生まれ育った環境はフェアではないかもしれないけれど。
確かに、そこには、フェアがあふれていました。
日本にいたら。
1日1ドル以下で暮らすことはできません。
学校に通うことは当然のこと。
お腹いっぱいご飯を食べ、きれいな服を着る。
蛇口をひねればきれいな水が出てきます。
世界は本当に広く、知らないことが多すぎます。
私たちは、経済的に、貧しさの中にはいないと思います。
だからといって、開発途上国の現状を、かわいそうだとか、大変だとか、思わないこと。
彼らにも、豊かさは、あります。
彼らにしかない豊かさが、あります。
フェアで愛のある世界。
まずは、世界のことを知ること。
そして、他を想い、他を尊重すること。
曇りのない目で世界を見てください。
きっと、愛があふれていると思います。
同じ目線で世界を見てください。
きっと、フェアがあふれています。
きっといつか、フェアで愛のある世界が、目の前に広がると、信じています。