第55回 自分にとって必要な情報
2016年11月11日
第55回栗本からのFair-Day
「自分にとって必要な情報」~災害時では~
最近、地震や台風、大雨と、災害が身近に感じられる。
自助・共助・公助の中で、自助・共助(公助は何をする?)で、生き残らなければならないと言われる。
しかし、生き残れるための情報は「Fair」に伝えているのか。
障がい者、高齢者、子ども、妊婦と…
発災時に自分の命を守るために必要な情報はそれぞれ違う。
最近、ある地域の防災訓練を見学させてもらった。
地域活動協議会(自治会+地域団体や民生委員など)の防災部のメンバーが中心となり、学校、警察、消防と連携しての訓練。
9時45分 直下型大地震発生
10時00分 町会ごとに集合し小学校に向かう
小学校では災害本部が立ち上がり、各町会からの情報を集約する。
また、教室では防災授業が行われていて、先生と防災メンバーから長ズボンを利用した「防災リュック」を作っていた。
10時20分 子どもたちが、体育館(避難してきた大人たちが防災講習を受けている)を通り運動場に町会単位に集合
先生から防災に関するお話がある。
10時40分 町会ごとに下校
(この地域のリーダーたちは、まちづくりの意識が大変高く、この防災訓練も良く考えられていたし、住民も協力的に動いていた)
発災時の情報源は、地域の防災スピーカー、スマホ、テレビ、ラジオと近所の人からと様々である。
しかし、最後に残るのが阪神淡路大震災や東日本大震災で証明されたように、ラジオや人からの情報である。
「自分にとって必要な情報」とは…
たとえば、聴覚に障がいがある方にとっては、インフラの崩壊でスマホやテレビが役に立たないし、防災スピーカーやラジオは聞こえない。
残るは、近所の人からの情報である。
このように、一人ひとりに応じた必要な情報を、地域としてどう確保するのかが大きな課題であり、日常のコミュニティの中で、住民同士が慮ることが出来る関係が重要である。
大災害は必ずやってくる。しかし、「防災・減災・縮災」で多くの人の命や財産が守れる。そのキーワードは、地域のコミュニティ「力」を高めることである。
行政は、地域と向き合い「協働」のまちづくりを本当に考えているのか。
地域は、自分たちのまちを誇りに思い、参加型のまちづくりをしているのか。
どちらも本気度が試されている。
本気で取り組まなければ、過去の多くの災害犠牲者の方たちに申し訳が立たない。