第60回　それだけのことが【生きる力】になる。

2016年11月11日

それだけのことが【生きる力】になる。

第60回FAIR　DAYは阪上が担当します。
前回【地域を360度から見る】をテーマにお話ししたのですが、
今回は具体例として『子ども食堂』という関わり方を知っていただきたいと思います。

ここ２～３年でニュースでも取り上げられるようになり、ご存知の方も多くなってきた気がしますが…

▼『子ども食堂』
子ども食堂は東京で誕生。
家庭の事情で給食以外はバナナしか食べていない子供が近所にいるという話を耳にしたことがきっかけとなり、
八百屋の店舗を利用して、子供一人でも入れる食堂を開いたのが始まり。
実際に某こども食堂に見学をさせていただいたのですが…賑やか💡
生活保護で暮らしている母子家庭の親子や、ワンコインで自身で夕食を買っている孤食が日常化している子供、
日本語が十分でなくて孤立している外国籍の親子の方々等などが次から次へと顔をのぞかせる。
テーブルを囲んで、持ち寄った食材や支援者から提供される食材でごはんを作って食べるだけのことですが、
それだけのことがこんなに【生きる力】になるのかと肌で感じました。

この空気、はじめてやないな…とモヤモヤしていたんです。

思い出しました。タイで交流を重ねている山奥のカレン族の村の空気です。
言葉も全く通じなくて(民族語のみで…)不安になっていたステイ初日の晩、夕食になるとたくさんの人たちが家に入ってきて一緒に夕食を食べたんです。
鍵も窓もドアもない家、近くにいる人たちを集めてみんなで床に座って食べるあの時間。
それだけのことがこんなに【生きる力】になるのかというくらい一瞬で不安が吹き飛んだんですよねーほんとに。

食べたいものが無いのではなく、
食べるものが無いというのは生きていくことができないということ。

2013年5月下旬、大阪府北区天満のマンションの一室で成人女性と幼子の遺体が発見されました。
幼児の死因は”餓死”との見方が強く、室内には「最後にもっとたくさん食べさせてあげられなくてごめんね」と書かれたメモが残されていたのだという。

一言に『そうなる前に働けばいいやん』とはいかないことの積み重ねが引き起こした事件。
昔も今も、日本でも日本以外でも、腹が減っては戦はできぬ。
まずは【食】だけでも！といった角度から地域と関わる『子ども食堂』という在り方。

理由は食べるものがないからというだけではありません。
【食】を言い訳に、【孤立を防ぐ】。
女子会や飲み会と一緒です。
子どもたちはもちろんその母親たちは、お酒を片手に愚痴やら相談やらの時間を作ることは少しハードルが高いから。
そう考えたら地域の集会場や少し広いご高齢の方達のご自宅、人・場所・食材が整えばどこでもいつでもできますよね。
人が多いほど食費も安くなるし！

教育機関(幼保小中高)なら調理場が既にあるので、もっとたくさんの人が集まりやすい。
教育機関が日常的に地域の生活の場になることは、メリットも多い。
?officeドーナツトークの田中代表の言い分に納得。

現在FAIRROADでも西成区に他のＮＰＯ団体と協同で「子ども食堂」を兼ねた居場所づくりに取り組み中。
一緒に色々働きかけてくれる方は是非気軽にご連絡ください！
こういった居場所には【近さ】も重要。
いくつあってもいいんです。居場所同士も協力し合っての運営をしています！

この話をみなさんの女子会や飲み会で少ししてもらえるだけで、必要な人にこの情報がとどきます。
それだけのことが【生きる力】につながります。

東京では地域のこども食堂へ行きたい人、手伝いたい人を結びつける『こども食堂ネットワーク』というものがあります。
参考にぜひご覧ください♪

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