第86回 選挙リテラシーが育つ土壌を!
2016年12月1日
いつもののんびりした空気の中、「トランプまじ怖いんやけど」と生徒が一言。
アメリカの大統領選は、日本の高校内の居場所にいる有権者18歳の話題に上がりました。
しかも「怖い」といった感想まで持っている…。
今回の大統領選、トランプ氏について意外と知っていました。
・ヒラリーっていうおばちゃんと戦った
・ヒラリーさんは女性の味方っぽい
・メキシコとの間に壁
・賃金の問題
・ワガママな性格
彼彼女らの言葉で色々話してくれました。
情報源はまずはテレビ、からのネットのようです。
そして周りの大人。お父さんお母さん、バイト先の人が○○って言ってたーとも話していました。
その一方、話を進めると日本の[安保法案]に関して全く知らなくて、「え、今ニホンってそんなんなってんの?」と。
しかし、説明すると質問もしてくれるし、きちんと耳を傾けてくれる。
でも最後「うちは選挙いかん家やからな」と生徒は締めくくった。
んーなるほど。
18歳に限らず情報(選挙)リテラシーが低い人々にとって、
日本の選挙の流れや方法や政党/候補者ごとの違いを見抜くことはなんだか面倒くさくてハードルが高いんですよね。
そもそも候補者の情報はポストに届く「選挙公報」や街中で配っているチラシに結構集約されているけども、
まーまーまー読みにくい。
大人でもそう思うのに、18歳に選挙権が与えられてからも情報を得る方法は(大体)そのまま。
だから、選挙と言えば…
街頭に貼ってる妙にキラキラした笑顔のポスターと、名前を連呼する選挙カー。
○党、○党…、ようわからんまま。
好きなテレビ番組も選挙の日は延期。
テレビを消して家族みんなでスマホをいじる。
『投票所入場券』が届いたことすら覚えていない人たちは少なくありません。
時代も時代ですし、速報番組などは別として、ジャニーズやAKBが選挙の流れを説明したり選挙候補者に質問する番組や
吉本の芸人司会で選挙番組をするのもありなんじゃないかなー
若者たちの選挙リテラシーが育つ環境づくりをしていないのに、「若者たちの政治離れ」と言われ、ひどいもんです。
「ゆとり」と同じ匂いが…
実際に居場所で高校生たちと選挙について話していると、決して無関心ではないことを肌で感じます。
実際の数字で見てみると、18歳以上に選挙権が与えられてから初めての参議院選挙では、
18歳の投票率は51.17%と、全世代による投票率54.70%と比較しても大健闘。
別に離れてないんです。
なので、18歳に限らず国民の選挙リテラシーが育つ工夫、環境づくりに注力していくべき。
今回よくも悪くも日本の高校内の居場所にいる有権者18歳の気まで引いた大統領選。
ちょっと最近耳にしてなかった「TPP」をはじめ、日本にもいろいろな変化が起こります。
ここ数週間で「政治」にちょっと耳が慣れた今、まずはこの記事を読もうと思えた皆さんから、
皆さんの周りにいる「選挙がしんどい人たち」にとって政治は敵ではないし、
選挙は怖くないと話してあげてはもらえませんか。
選挙情報がFairに行き届くような環境を作っていくのも、大人の仕事。
情報弱者と言われる層の若者たちに気軽に政治/選挙を知ってもらえるイベントを考えなければ…。
※小池都知事のニュースに関心を持っている生徒も多いです。
トランプ、小池都知事。引き続き傾向を見ていこーと思います。
最後に★政治のはなしの材料に…