第92回 教育機会確保法で勝負の3年間に突入!
2016年12月27日
2016年も残すところあと10日。
師走。育児が加わり日々のスピードが3倍に感じます。
さて、今年最後のFAIRDAYはそんな阪上が書きます
『教育機会確保法で勝負の3年間に突入!』
12/7に、フリースクールなど「唯一絶対だった学校」
不登校の子ども達全員とは言えないかもしれませんが、 FAIRを目指した内容です。
もちろん賛否両論ありますが、私は賛成です。
理由は2つあります。
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★ 1つ目は子どもにとっての最善の利益とは何なのかを考える理由が できたから。
日々の高校内居場所カフェで若者たちと過ごしている中で、 長い目で見るとこの子にとって何が一番必要(最善の利益) かを考えたときに
必ずしも「今在籍している学校を卒業すること」 だけが答えではないということが分かります。
ただ、日本は学校至上主義ですし、 今は学校に来ないことを選んだ若者は「不登校」 というカテゴリにはまるしかない。
在籍している学校に戻ってくるか、 自分でフリースクール等を探して通うか。
新たな場所を選ぶ場合、 もちろん学校からの引き継ぎや連携は無い。
これが子どもにとっての最善の利益ではないのは明らかです。
いわゆる「卒業クライシス(危機)問題」 を抱える生徒を取り巻いている理由は何なのか、
その若者にとって最善の利益とは何かを社会全体で考えるときがき たのだと思います。
SSW(スクールソーシャルワーカー)やSC( ソーシャルワーカー)も常駐ではない学校がほぼ。
この制度によりSC、SSWの両者が配置されることになったら、 生徒及び保護者に対して心理的なサポートだけではなく
社会的サポートを行うことができるようにもなります。
今私たちFAIRROADはofficeドーナツトークさんと一 緒に高校内で居場所カフェをしているのですが、
SSWやSCでなくとも、 外部の若者支援団体のスタッフが学校の職員と協同し、 生徒を支援に取り組むことで、
職員の皆さんが生徒の置かれている環境を多面的に理解し、 閉鎖的な支援ではなく子供にとって最善の利益を考えた支援ができ るようになるのではないでしょうか。
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★2つ目は連携せざるを得ない理由ができたから。
若者支援をしているとどうしても目につく上辺だけの連携。
窓口や資料作成など「担当」 としてこなしている人たちが多いのも目につき、その結果「連携」 から期待できる若者支援にはたどり着かない。
なにより1つ目に挙げた「子どもにとっての最善の利益」 を追求しようとすると連携は欠かせないんです。
この制度の反対の理由に多い「不登校を区別し、 他の機関をすすめることがこどもをさらに追い詰める」 とい意見ですが、何度も言うように、
連携しながら「子どもにとっての最善の利益」 を追求する姿勢があればそうはなりません。
本当に苦しい子もいるんです。 その心のSOSに気付かず学校から引き離すことをしないほうが追 い詰めることになるのは反対意見の方々も分かっていると思うんで す。
今の社会のままこの制度だけが走ってしまうと確かに追い詰めるこ とになります。
そうならないように頑張らないといけません。
子どもたちに頑張れと言う前に、私たち大人が頑張らないと。
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この2点から教育機会確保法は学校至上主義の日本に風穴を開ける 重要な制度ですし、勝負の3年間になると思っています。
学びの場や居場所づくりにおいて出てくる「格差(地域・学力・ 生活力・文化力)」 を法制度という力で是正しようと行政も一緒に頑張る3年間です。
外部の若者支援の機関やSSW、SCは行政のメンター( 相談相手)的な役割を積極的にしていきましょう。
そして若者たちの代弁をしつづけましょう。
3年後にこの制度をより良いものにするべく、 しっかりと行動していきましょう!
どの若者にとっても生き続けたいと思える社会を。
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● 義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に 関する法律案
桃谷高校『ほとりカフェ』
長吉高校『なかカフェ』
泉尾高校『わたしカフェ』