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スタディツアーレポート ~in Thai land~ 2016年8月11日~8月17日

2017年6月19日

日本とアジアの子どもたちに「スキル」を!!日本・タイ・ミャンマーの子どもたちが生きていくための様々な「スキル」を獲得できるようサポートしている団体。

Fair Roadのスタディツアーに参加させてもらいました。

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スカイブルー学校 ゴミ山の学校

 

------最初に向かったのが、タイの北西部・ターク県メーソット町のはずれにあるスカイブルー学校。 ゴミ山の隣にある学校です。

ここのゴミ山にメーソット中のゴミが集められ、ゴミ収集車が来ると近くの家に住むミャンマーの移民の方たちがゴミから資源になるようなプラスチックや缶などを掘り出して換金して生活しています。

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スカイブルー学校には現在幼稚園から小学5年生までの生徒が144人

5人の先生が学校を運営されていました。

 

スカイブルー学校はとっても暑くて、すこしこもった様な臭いとたまに犬の臭いがするのですが、(犬が何匹かいるので)今の校舎は以前より新しくなったようでゴミの臭いなど劣悪な環境が少し改善されたそうです。私は最も劣悪な環境の時のスカイブルー学校を知らないのですが、スカイブルーの子どもたちを思う、先生や国内外の支援で少しずつ劣悪な環境から抜け、今があるのだと感じました。

まだまだ子どもたちが教育を受ける、生活するのに快適な環境ではないけれど、(雨季などはゴミ山から水が流れたり、周りで生活している人の生活水はゴミ山からの井戸水だったり…)スカイブルー学校の過程を思って胸が熱くなりました。

 

ランタンなど物資を渡す時の子どもたちの少しはにかんだ笑顔。

私自身タイでの初めての訪問とあって、すごく硬くなっていたのですがたまに見る先生のこどもへの笑顔だったりすごく心が暖かくなりました。

 

 

メラ難民キャンプ

メラ難民キャンプとは1984年にタイのターク県ターソヤーン地区に設置されたタイとミャンマーの国境付近にあるミャンマー難民のための難民キャンプで、

迫害から逃れてきた少数民族(カレン族)など中心に最大の約50000人が居住されています。

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難民キャンプにはいると何となく1つの村のように感じました。行き交う人達、お店もあり軒先きで家族がくつろいでいる…

「難民キャンプの中ってこんなに平和な感じなんだ」そう感じました。

 

難民キャンプの中の図書館で子どもたちと折り紙を折ったのですが、何とも子どもたちの明るいこと。

私も通じない言葉の中で、〝きゅっ!!〝とか〝パタン!!〝など日本語で説明するのですが、子どもたちはその日本語に笑いながら、

それぞれ誠実に…わからないところも持ってきて一緒に折ることが出来ました。

 

難民キャンプの子どもたち…でも一緒に過ごす時を持って思ったのが悲壮感を感じなかった事です。

何とも力強い…!先生の手遊びに全力で応える子どもたち。誠実で、タフで何とも明るい、いじらしい笑顔。

やっぱり子どものエネルギーはすごい…!私は自分の保育園の子どもたちを思い出しました。

 

 

もちろん複雑な問題もたくさんあって、子どもたちが大きくなっても難民キャンプの外に出られない…

(難民キャンプで暮らす人々は外に出ることを禁じられている)

カレン族の人たちが難民キャンプに逃れて30年。難民キャンプで生まれ育った子どもたちは祖国も知りません。

 

ミャンマーの民主化によって祖国に帰れる可能性が議論され始めているそうですが、中には村を焼き討ちされるなど、

迫害されて逃げてきた人もいて、祖国に戻るのか、キャンプに残るのか、他の国に移住するのか(第3国定住)選択に直面している状況でした。

 

どれを選ぶのが彼らにとって、子どもたちにとって幸せなんだろう。どれを選んでもきっと大変な道なのだろうけれど、

自分で決めた道を歩めますように。図書館でみた子どもたちの笑顔が続きますように。

(この難民キャンプの図書館もSVAシャンティ国際ボランティアの図書館活動プロジェクトによって作られたもので、子どもの発達のために本やお話しが必要であると考え、

(心の栄養)子どもの想像力を高め、子どもたちの協力する態度や創造力、感受性がつく。そして子どもの心理的な傷を癒す力もある…と人道支援をされ作られたものです。)

 

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カレン族の学校 メーラムーン学校

メーソットからさらに山道に入って、道なき道を車で揺られる事2時間程。

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ターク県ターソンヤン郡にあるメーラムーン学校に着きました。

メーラムーン学校には小学生から高校生までの生徒が学んでいます。そのほとんどがカレン族。ここの生徒の家にホームステイでお世話になりました。

 

私がスタディツアーの中で1番不安だったのがホームステイでした。

「言葉も通じないのに大丈夫かな…」ですが、現地に着くと子どもたちが早速気さくに会話帳を使いながら話してくれホッとしました。

 

私がお世話になったのはウィラワンという18歳の女の子の家庭で、まず驚いたのがウィラワンのサポートの仕方です。

雨季のタイ…そして警察も寄り付かないと言われるほどのぬかるんだ山道。

私が到着した時はもうすでに暗く、街灯もなくまったく足元が見えませんでした。

その中私の重い荷物を持ってくれ、腕をしっかり組み、ヘッドライトで足元を照らしてくれたウィラワンでした。

ホームステイ中終始こんな感じで相手の事を思い、何が今相手が必要としているのか。考えて動くウィラワンに驚きを隠せませんでした。

 

ウィラワンの朝はとても早く、5時にニワトリが鳴き出すと、お米を洗い、ウィンナーとすり身の様なもののご飯とインゲンと卵の炒めものを作っていました。

もちろん冷蔵庫もないので、壁にぶらさげてある袋からインゲンや卵を取り出していました。

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ウィラワンの家はとにかく暗い。夜はもちろん電気も無く真っ暗で、ヘッドライトを天上からぶらさげたりなのですが、朝や昼になってもとにかく暗い…!

次の日が交流会で学校でホームステイ先の家族とご飯を囲むのですが、私はその時初めて、ホームステイ先のお父さんとお母さんの全貌がはっきりわかったぐらいでした…!!

私自身ウィラワンの家に居ることが少なく(出掛けたり、ウィラワンの親戚の家に行かせてもらったり)

お父さんやお母さんとは〝行ってきます″〝ただいま″など日本語で挨拶しかしておらず、お父さんやお母さんは異国の外国人が家に来て嫌じゃないかな?

と不安だったのですが交流会の時に〝かわいい娘がもう1人増えたみたいだった″と話してくれそんな風に暖かく受け止めてもらってたのか…と涙がでそうでした。

交流会の帰り道、Fair Roadのスタッフにカレン語(スタッフはカレン語はわからない)を言わせて大爆笑していたお父さん。

ここの人達ってシャイだけど、すごく暖かい人なのかもしれない。(そして面白いこと大好き!)

 

交流会の暗い帰り道、私とウィラワンの足元をお父さんがヘッドライトで照らして帰ってくれました。

メーラムーン学校の地区は山岳にあるので、8月といえど夜は雨で寒いぐらいだったのですが、心は凄く暖かかったです。

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スアンプルー地区のスラム街

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私がスタディツアーで衝撃をうけたのがこのスアンプルーのスラム街です。

バンコクの中心地にあるスアンプルースラムは2004年4月に大火災に見舞われほぼ全域が焼失。居住者8000人が家を家を失いました。

火災後の復興計画について住民の中で2つに対立。

行政が建設する集合アパートか住民自身が提案したSelf helpの家(ローンを組んで長く使える自分の家を持つこと)

数では集合アパートを支持する住民が多かったそうですが、お年寄りが住みにくく、

一生家賃を払い続けなければならない問題点があるとして、そこからわずか1年で住民のリーダーが住民を組織し、

協働組合を発足。そして他のスラムともネットワークし、行政区や住民と協議して今のスアンプルースラムがあるのです。

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(左の男性が元住民地域委員、右の女性が現在の住民地域委員)

 

住民が主体になって地域の再建に取り組む。自分達の住む街を自分達で作る。

自分達で作っているからか、このスラムは一味違いました。

〝えっ!ここってスラムなの?″と言うほど住民達がユーモアで明るく、自信に溢れている様に感じました。

もちろん裕福な生活がある訳ではないと思うのですが、それでもなぜこんなに明るく陽気でいれるんだろう。

今のスアンプルースラムの長屋形式にしたのはもう一つ理由があり、コミュニケーションが取りやすいということでした。

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(確かに隣と隣がとても近い)

だからか、街全体がとても暖かく感じました。

 

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この日はスアンプルースラムの若者が大学を卒業する祝いの日でもあったようで、お祭り騒ぎが夜中の0時ぐらいまで続きました。

 

〝大学を卒業したぐらいで街全体がお祭り騒ぎするもの?″と最初は思ったのですが、

きっとスアンプルースラムで大学に入り大学を卒業するという事は、日本のそれとは重みが違うんだろうなと感じました。

 

このツアーを一緒に旅して通訳をしてくれていたビアという若者もスアンプルースラム出身で、奨学金を借りながら大学を卒業。今はかつて

自分がしてもらった様に奨学金事業に携わっているとの事で〝自分が奨学金にお世話になって、こうしてまた返せるのが嬉しい″と言っていました。

ビアの誠実さや、勉強熱心な姿にただただすごいなっ…と感心。

勉強や進学が当たり前ではない状況の中、ビア自身この街の様に自分で動いてきて、今があるのだと感動しました…!!

 

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マレットファン(夢のたね)

 

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私がスタディツアーで訪れて1番ドキドキ、ワクワクしたのがマレットファンです。

タイ語でマレットは種、ファンは夢という意味で日本人の松尾くみさん、タイ人のムアイさん、ギップさんで設立。

タイで活動している団体で、教育支援をおこなうタイ国認定の公益法人です。

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団体を設立したのは、〝こども″も〝おとな″も夢を実現できると思える社会作りをしたいと思ったからで、

その為に〝こども″にかかわる〝おとな″の支援をしています。周りの〝おとな″が笑顔で過ごしてくれていること以上に

〝こども″が心を豊かにし、未来に夢を持てる環境はないのではないかと考え活動されています。

 

松尾さんのお話を聞きながら鳥肌が立つ様な思いでした…!!

たぶん松尾さんの持っている〝思い″に引きこまれたからだと思います。

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マレットファンはマレットファンが〝してあげる″のではなく子どもたちの1番近くにいる大人たちが自分たちでしていける様に継続性の支援をされていました。

バンコクの…タイの保育園などではまだまだ保育の質が良いとは言えず、子どもたちを静かにさせておく。

TVを見せておくだけの保育も多いそうです。

タイの保育士も高校をでただけでなれたり、待遇面がよくなかったりして向上心が先生になかったりするそうです。

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〝その中で現場の先生たちにいかにおしつけるのではなく、同じ方向を向いていけるか。

まきこんでいけるか…″と松尾さんが言っていて,もうそのスタンスにとても感動しました。

 

なぜそこまで感動したか…何より松尾さんがもつ想いのエネルギーに、暖かさに圧倒されたのだと思います…!

そして私自身、保育園を卒園した子どもたちの支援として、松尾さんの様に現場の小学校の支援を(先生を)したかったからだと思います…!!

 

最後に…

なぜこのツアーに参加しようと思ったか…

それは私は以前外国の教育が見たい…とフィンランドの教育を見てきて、とってもフィンランドの教育を好きになりました。

正に私の理想の教育!でも帰国後、私は日本に足りないところばかり探すようになっていました。

日本に文句ばかり言っていてもしょうがない…そして何よりそのままの私で子どもたちの前に立つのは、(保育士をしているので)背中を見せるのは何か違うとずっと思っていました。

まだまだ私自身の世界が狭いのでは??もっと自分の世界を広げたい!

もっと違う環境にある子どもたち…

日本ともフィンランドとも正反対の環境にある子どもたち…それを自分の目で見て、感じてみたい…!

そして自分の住んでいる日本をもっと好きになりたい…!

それが始まりでした

スタッフの今回のリーダーが言っていた言葉で、〝このツアーに参加したからボランティア精神を持ってほしいというのが目的ではなく、

こんな活動している人が日本にもタイにもいることや、現地にどんな人がいてどんな環境でどんな想いをもっているか知ってほしい″と仰っていて、

本当にこのツアーに参加して教育だけではない、現地の人や色んな活動をしている方に出会わせてもらえ、すごく自分の世界が広がりました。

ホームステイさせてもらったウィラワンの山岳地区。

トイレにはトイレットペーパーもなく、洗面なども流れてくる水を桶に貯めて顔を洗ったり、歯を磨いたり。

電気もなければ冷蔵庫もない。だけどだから不幸せかというとそれは違う。

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幸せってなんだろう?不幸せってなんだろう?このツアーで行く先々で考えさせられました。

そして、タイの子どもたち…様々な境遇の中に生きる子どもたちを見て感じて、

私は日本に帰って目の前の子どもたちに何を返せるだろう?何がしたいんだろう。

 

1つだけわかるのは、今自分の世界が少し広がり楽しくて心が明るい事です。

スタディツアーを終えて思いだすタイはなぜか希望に溢れていました。

スアンプルースラムだけでなく、本当にどこまでも暗闇の様に感じるスラム街も見せてもらったのですが、

たぶん希望をもって、思いを持ってそこの方々を支援している人たちに出会わせてもらったからだと思います。

 

Fair Roadのタイの各地への寄付を運ぶ手伝いをさせてもらったのですが、私の方がなんだかたくさんのものをもらったみたいです!

 

スタッフの皆さん、現地の人たち…私の世界や考え方を広げるチャンスをくださり本当にありがとうございました。

皆さんとの出会いが1番の宝です。コップンカー!!(タイのありがとう)

 

 

参考文献

・シャンティ国際ボランティア会 HP

・シーカーアジア財団 HP

・マレットファン HP

・スアンプルースラム火災近況報告no.2

・ACTIVO Fair road 基本情報より抜粋

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