凸凹に公正な寄り添いと、平等な機会がある社会を目指す。

学校現場は不登校・非行・障がいを対応するのが精一杯。
しかしサバイバーたちの存在を知っていながら無視もできない。
そこで立ち上がった西成高校の職員がドーナツトーク田中さんに
「学校内に居場所を作ってくれないか」と持ち掛けたのが
この「高校内居場所」のスタートだった。

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設立から７年、神奈川県横浜にもカフェができた。
そのカフェの名前は「ぴっかりカフェ」
ドーナツトークとは少し違った「大規模カフェ」
本当の困難は卒業後に始まる。
生徒と出会い、
「信頼」を貯金し（「信頼貯金」）
文化資本のシェアをする。
この経験がその困難を乗り越える糧になる、と石井さんは強く語る。

対処型支援は
・支援に時間(コスト)がかかる
・被支援者の精神的な負担が大きい
・成果が出にくい(リターンが少ない)

雨漏りを対処するような支援は根本的解決にならない。
上流をたどると始まりは若者にあり、
故にその若者支援は成果が期待できるのにも関わらず
「１０代」にほとんど出会えていない現状がある。

この若者と出会えるのが「学校内居場所」。

会社で勤めるのが「大人」だと思っていた中、
カフェでは「何をしているのかわからない変な大人」たちと出会う。
それは生きるストライクゾーンを広げることになる。

その「変な大人たち」というのは
居場所カフェに関わるスタッフ（地域のボランティア）さんたちのこと。
石井さんは彼らのことを「善玉菌」と表現する。
いわゆる地域からやんちゃな「課題集中校」と見られていた高校は
善玉菌たちの関わりや口コミによりイメージが変わっていっている。

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どうすれば「兵庫県」に居場所カフェを作れるのか

ぴっかりカフェは神奈川県田奈高校内の図書室で開催している。
「図書館というのは本来静かな場所であり対話する場所ではないでしょう」
と定番の質問がある。
「本」というのは様々なメディアの中のひとつであるという認識しかなく、
そこが高校生たちとかみ合っていないなという違和感があった。
「生徒にとって【情報】と出会う場所であってほしい」
と図書館司書の松田さんは語る。
その【情報】は「本」だけでなく「人」からも得れる。
そういった松田さんの想いと石井さんが出会ってぴっかりカフェが生まれた。

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と、想いの溢れたフォーラムだった。

居場所カフェは「学校内の想いを持つ人」と「学校関係者以外の想いを持つ人」との
出会いで生まれる。
資金源は助成金かもしれないし、クラウドファンディングで集めた資金かもしれない。
実施場所は空き教室かもしれないし、図書室かもしれない。
そこは「想い」によって導かれる。
その「想い」を学校のトップである校長が意義を語れると
居場所カフェは走り出す。

学校経由の就職という魅力が低下している中、
「学校」への登校動機は「人」が重要。
多様性を受け止める受け皿として教育行政が用意する形式的な適応指導教室などの「別室」には
生徒さんらの主観的な感覚が抜け落ちている。

望ましい集団活動の中で主体的に学び、他者との関係を築き、自分の強みに気づくことが難しい生徒さんたちが
「別室（適応指導教室）」を利用しているのにも関わらず
そこにいるのは関係性を築くのが難しい利害関係のある「教員（大人）」で、
「身の安全は確保されているよ」「いじめる奴らはこの部屋にはいない」、
「だからここでは安心して勉強もできるし、ここは通過点だ。気持ちが回復したら教室に戻ろうね」
「学校に来ているなら集団活動に参加しないと意味がない」なんて。
それは安全安心の場所ではない。
子ども食堂のようにスティグマがちらつく「別室」は彼らの居場所ではない。

「心地の良い（心理的側面)、ところ(空間・物質的側面)」。
この２つの側面が「居場所」には必要。
「関係性からもたらされる安心」と「身の安全からもたらされる安心」を混同してはならない。

わたしカフェ＠泉尾高校